2015年10月31日土曜日

史跡足利学校哲学研修(二日目)

二日目は、中禅寺湖や戦場ヶ原などの名所を、栃木県立博物館の研究員の河野重範さんに連れて行っていただきました。

早朝の澄んだ空気と爽やかな風のなかで見る風景は、どこを切り取っても絵画のように美しく、まさに“早起きは三文の徳”の言葉通りの光景でした。

途中で足湯につかってほっこりした後、竜頭の滝を見に行き、自然の産んだ壮大な景色をたっぷり堪能しました。

河野さん、本当にありがとうございました!

二日間の旅の締めくくりとして、最後に世界遺産の日光山輪王寺と日光東照宮を訪問しました。
日光山輪王寺の三仏堂は、50年ぶりの大修理の途中であり、東日本最大の木造建築である三仏堂の大伽藍が素屋根で覆われた状態でしたが、中に入ると、仏像や屋根を修繕している様子など、普段では見られないところを見学することが出来たので、一同大満足でした。


三仏堂を見学した後は、家光廟大猷院を見学しました。祖父である家康公の「東照宮」を凌いではならないという遺言の通り、金と黒を基調とした重厚感のある造りで、家光公の家康公への思いがどれだけ深いものだったのかを窺い知ることが出来ます。
四体の夜叉の一つ、毘陀羅(びだら)

大猷院の中心となる拝殿・相の間・本殿では、教科書でもお馴染みの狩野探幽の「唐獅子」や、家光公の着用された鎧が展示されていました。天井には140枚の龍の絵が描かれており、その膨大な数と、一つ一つ絵の緻密さに圧倒されました。

日光の名物、湯波ランチを食べた後は、いよいよ日光東照宮です。

残念ながら陽明門などは平成の大修理の途中で見ることはかないませんでしたが、「見ざる言わざる聞かざる」の3猿で有名な神厩舎の前で写真を撮り、左甚五郎作と伝えられている眠り猫(ねむりねこ)【国宝】など、東照宮の名物を見ることで、東照宮の雰囲気を堪能することが出来ました。
龍の頭の下で拍子木を鳴らすと、鈴を転がしたような音がすることから「鳴き龍」の名称で親しまれている、狩野安信の手によって東照宮薬師堂(本地堂)天井に描かれた龍の絵は、その現象の不思議さもさることながら、龍がまるでこちらに迫ってくるような迫力のある絵にも多くの人が感嘆の声を上げておられました。

今回はじめて国内の研修旅行を実施し、今まで知らなかった古き日本の文化、歴史を学ぶことが出来ました。そして、何よりも一緒に旅行をして楽しみ、喜びを共有することで固い絆が生まれ、より多くの皆様と親しくなることが出来ました。
今回の旅行でお世話になった関係者の皆々様、本当にありがとうございました!



史跡足利学校哲学研修(一日目)


9月28日(月)から29日(火)にかけて、一泊二日の史跡足利学校哲学研修が行われました。
足利学校は、平成26年11月22日に当館と【交流協定】を結んだご縁もあり、今回の研修旅行が実現しました。
記念館スタッフからは3人が参加し、合計8人で足利学校のほか、二日目には世界遺産の日光山輪王寺、日光東照宮などを参拝しました。



 今年の4月に日本遺産に認定された史跡足利学校は、日本最古の学校として有名ですが、校舎には洗練された凛とした空気が漂っており、学校門を通るときには自ずと背筋が伸びる思いがしました。
 校内では、孔子の76代目の子孫の孔さんによる校内の説明や、孔子についてのお話を聞かせていただきました。(なんと9月28日は孔子の誕生日だったそうです!)
 校内には宥坐之器(ゆうざのき)があり、実際に水を入れてみることで、わかりやすく孔子の『中庸の教え』を学ぶことが出来ました。(水をいっぱいに入れるとひっくり返ってしまうことから、「満ちて覆らないものはない」ということを弟子たちに説いたもの。)

 書院から庭園を見ながら、昔、ここで学んだ学徒も、同じ風景を見ていたのかなと、この学校が育んできた歴史の重さを考えさせられました。

 最後に、史跡となってからの初めての庠主(校長)であった中村博士の愛した古印(こいん)最中をおみやげに買って、足利学校を後にしました。足利学校の方々、本当にお世話になりました。

あんこがぎっしり詰まっており、それでいてしつこさがなく上品な甘さでした。
その後、いろは坂を通って華厳の滝を見に行きました。

 この坂はとてもカーブが多く、第一の坂は20カーブ、第二の坂では28カーブもありました。

 華厳の滝は、通常は毎秒2トンの水量で落ちているらしいのですが、先日の大雨でこの日は倍の4トンの水量になっており、水が飛沫を上げて落ちるさまには圧倒されました。

 エレベーターで降りて、正面から迫力のある滝を間近に見ることも出来ました。
















二日目に続く



2015年10月28日水曜日

第一回「中村元東洋思想文化賞」の授賞式を開催いたしました。

左から当館の清水谷善圭理事長、中村元東洋思想文化賞選考委員長の前田專學先生、松江市長賞を受賞された東洋大学大学院の伊藤頼人さん、優秀賞を受賞された東京大学大学院の渡邊要一郎さん、奨励賞を受賞された島根大学法文学部卒の庄司勝利さん、国立大学法人島根大学の服部泰直学長、松江市の能海広明副市長
10月24日、中村元記念館(松江市役所八束支所2階旧議場)にて、第一回「中村元東洋思想文化賞」の授賞式を開催いたしました。中村元東洋思想文化賞選考委員長の前田專學先生による審査報告の後、優秀賞を受賞された東京大学大学院の渡邉要一郎さん、松江市長賞を受賞された東洋大学大学院の伊藤頼人さん、奨励賞を受賞された島根大学法文学部卒の庄司勝利さんに賞状と奨励金、記念の楯が贈られました。
授賞式の後には、優秀賞を受賞された渡邉さんの「パーリ文法学の形式と発展」と題した受賞記念講演が行われ、多くの人が、新しい学問の扉が開く音に耳を傾けていました。

2015年10月20日火曜日

中村元記念館開館3周年記念 研究報告会

※写真はイメージです。
(今回は島田研究員の報告はありませんので
注意ください。)

 日時:平成271024日(土)
           : 1230分~1340
 場所:中村元記念館

お待たせいたしました。今年も中村元記念館東洋思想文化研究所研究員の研究報告会を開催いたします。今年度新たに採用された、中野耕太氏、横山純子氏による研究紹介も含め、文学、民俗学、仏教史、歴史学と多彩な4本の報告を予定しております。皆様お誘いあわせの上、是非お越しください。
(予約不要、入場無料)
                          
報告1「ラフカディオ・ハーンにおける東洋と西洋
   ―「前世の概念」と「涅槃」をめぐって―」 横山 純子
報告2「神楽能に見る神仏習合」
中野 秋鹿
報告3「中村元博士とスリランカ~8月スリランカ調査報告~」
岡崎 秀紀
報告4「中世における日韓両国の軍事政権」
                                                                                                                      中野 耕太


2015年10月16日金曜日

ジャイナ教の世界~写真で見るインド伝統宗教の祝祭儀礼~(中村元記念館開館3周年特別企画展)

開館3周年を記念して、特別企画展「ジャイナ教の世界」を開催いたします。
中村元記念館・東方学院松江校の矢島道彦講師が現地で撮影された、貴重な写真と絵画を特別公開いたします!
開催に先立ちまして、1024日(土)午後3時半より、矢島先生による内見会を行います。
ジャイナ教の祝祭に集う人々の生き生きとした様子を、先生の詳しい説明を聞きながらご覧ください。
(矢島先生のお話が聞けるのはこの日だけ!)
皆様ふるってご参加ください。
(定員30名・予約不要・入場無料)
・期間:1025日(土)~1225日(金)
・会場:松江市八束支所 1F町民ホール(2F中村元記念館からも入場可)
・料金:無料 
・主催:中村元記念館 休館日 月曜日
・お問合せ:0852-76-9593(中村元記念館)