2015年11月30日月曜日

第一回中村元思想文化カフェが行われました。

 明日からはとうとう師走を向かえ、寒さがひとしお身にしみる頃となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 
11月28日は、中村元博士の生誕を記念して、第一回中村元思想文化カフェが行われました。
 今回は中村元記念館東洋思想文化研究所 研究員の横山純子氏と、笠原愛古氏による研究報告がありました。
 
横山氏の『ラフカディオ・ハーンは仏教徒か?―「前世の概念」「涅槃」等に見る仏教観―』の報告では、ハーン著作の仏教や「究極」にまつわる作品がとりあげられ、聴衆をまじえて、ハーンが「仏教徒」であったのかという議論がなされました。
 ハーンが「Are you a Buddhist?(あなたは仏教徒ですか?)」と聞かれた際に、「Not exactly(正確にはそうではありません)」と答えたという話が、印象的でした。
 報告の最後に、横山氏が記念館スタッフの伴奏付きで、ハーンの愛したアイルランド民謡『Believe Me』を歌い上げられました。
 
つづいて笠原氏の報告『慈しみの思想家~自筆原稿から見る中村元』では、記念館が所蔵している博士の中学生時代の作文集をもとにして、報告されました。
 当時苦手だったものや、病気で一年間休学をしたエピソード、その出来事が少年時代の中村博士にどういった影響を与えたのか、ありのままの作文を見ることで、思想家・中村元の新しい一面を知ることができました。


 最後に東方学院の学院歌「慈しみ」が参加者全員で歌われ、第一回中村元思想文化カフェは暖かい雰囲気で終わりました。
 今後も、定期的に文化カフェを開催する予定です。第2回以降もご期待ください!

2015年11月27日金曜日

11月14日に日本仏教教育学会の第24回学術大会が記念館で開催されました。

11月14日、日本仏教教育学会の第24回学術大会が記念館で開催されました。午前中の研究発表では、駒澤大学の山口先生をはじめ5本の報告が行われました。昼休憩には日本仏教教育学会会長の矢島道彦先生と、当館の笠原愛古学芸員による特別展・常設展の解説があり、また午後のシンポジウムでは、「中村元博士と教育」と題して、東京大学の丸井浩先生、矢島先生など3本の講演・報告が行われました。
 シンポジウムの中でたびたび取り上げられた中村博士の世界平和を求める言葉は、ともすれば東洋思想あるいは仏教学の枠組みの中でのみ捉えられがちな中村博士の思想研究が、平和のための学問であったのだと再認識させてくれるものでした。
 翌15日は「松江と教育」をテーマにしたエクスカーションが行われ、幕末・近代の教育関係の史跡を巡るなど内容の濃い2日間となりました。


2015年11月25日水曜日

「中村元~慈しみの心」

 新聞で見られた方も多いことかと存じますが、11月1日より山陰中央新報にて「中村元~慈しみの心」(新聞1面)が絶賛連載中でございます。
 「中村元~慈しみの心」では、中村元博士がわかりやすく日本語に訳された、仏教の開祖・ブッダの残した言葉などを毎日、解説付きで掲載しております。
 今回は、記念すべき第一回掲載のことばを紹介したいと思います。

慈しみ

一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。

一切の生きとし生けるものは、幸せであれ。

何びとも他人を欺いてはならない。

たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。

互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。

この慈しみの心づかいを、しっかりとたもて。

「ブッダのことば」中村元訳

 この「慈しみ」のことばは、中村元記念館のある松江市八束町の大塚山に建てられた慈しみの碑(中村元記念碑)にも刻まれています。そして、東方学院の学院歌にもなっています。
 解読が困難で、分かりにくい仏教用語を、博士は大勢の人びとにわかるように訳し、広く伝えられたのでした。
 慈しみに満ちた「ブッダのことば」を、公益財団法人「中村元東方研究所」の理事長で、記念館の館長でもある前田專學博士と、常務理事で駒澤大名誉教授の奈良康明博士が執筆し、中村元記念館の協力のもとで掲載しております。
 日々の生活の中で、仕事であったり、勉学であったり、それぞれが異なった毎日を送っています。そんな時に、はっと気づかされるようなことばがこれからたくさん掲載される予定です。
 一日の始まりを、「ブッダのことば」とともに迎えられてみてはいかがでしょうか。

2015年11月21日土曜日

予告:第一回中村元思想文化カフェの開催

11月28日の中村元博士の誕生日の日に、第一回中村元思想文化カフェを開催いたします。
日時:11月28日(土)16時~17時30分
場所:中村元記念館 大会議室
参加費:1000円(高校生以下半額)
申込期限:11月25日(水)まで

・『ラフカディオ・ハーンは仏教徒か?―「前世の概念」「涅槃」等に見る仏教観―』(Believe Me演奏) 
                      中村元記念館東洋思想文化研究所 研究員 横山純子

・『慈しみの思想家~自筆原稿から見る中村元』(「慈しみ」演奏)
      中村元記念館東洋思想文化研究所 研究員 笠原愛古
・ティーブレイク

お茶を飲みながら、一緒に語らいましょう。
いっぺん来てごしない!
お申し込みは、下記の中村元記念館までお問い合わせください。
連絡先:〒690-1404 島根県松江市八束町波入2060番地 松江市八束支所2階 中村元記念館
TEL:0852-76-9593 FAX:0852-76-9693
E-mail:info@nakamura-hajime-memorialhall.or.jp

2015年11月4日水曜日

年末年始と1月の休館日のお知らせ

年末年始と休館日を併せてお知らせいたします。

◆年末年始  12月27日(日)~1月4日(月)
          1月5日(火)より通常営業
◆収蔵品、蔵書整理のための休館日  1月11日(月)~1月25日(月)

上記の期間、収蔵品や蔵書の整理と維持管理のために、休館とさせていただきます。
皆様のご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。

ホームページのご利用案内も御覧ください。

2015年10月31日土曜日

史跡足利学校哲学研修(二日目)

二日目は、中禅寺湖や戦場ヶ原などの名所を、栃木県立博物館の研究員の河野重範さんに連れて行っていただきました。

早朝の澄んだ空気と爽やかな風のなかで見る風景は、どこを切り取っても絵画のように美しく、まさに“早起きは三文の徳”の言葉通りの光景でした。

途中で足湯につかってほっこりした後、竜頭の滝を見に行き、自然の産んだ壮大な景色をたっぷり堪能しました。

河野さん、本当にありがとうございました!

二日間の旅の締めくくりとして、最後に世界遺産の日光山輪王寺と日光東照宮を訪問しました。
日光山輪王寺の三仏堂は、50年ぶりの大修理の途中であり、東日本最大の木造建築である三仏堂の大伽藍が素屋根で覆われた状態でしたが、中に入ると、仏像や屋根を修繕している様子など、普段では見られないところを見学することが出来たので、一同大満足でした。


三仏堂を見学した後は、家光廟大猷院を見学しました。祖父である家康公の「東照宮」を凌いではならないという遺言の通り、金と黒を基調とした重厚感のある造りで、家光公の家康公への思いがどれだけ深いものだったのかを窺い知ることが出来ます。
四体の夜叉の一つ、毘陀羅(びだら)

大猷院の中心となる拝殿・相の間・本殿では、教科書でもお馴染みの狩野探幽の「唐獅子」や、家光公の着用された鎧が展示されていました。天井には140枚の龍の絵が描かれており、その膨大な数と、一つ一つ絵の緻密さに圧倒されました。

日光の名物、湯波ランチを食べた後は、いよいよ日光東照宮です。

残念ながら陽明門などは平成の大修理の途中で見ることはかないませんでしたが、「見ざる言わざる聞かざる」の3猿で有名な神厩舎の前で写真を撮り、左甚五郎作と伝えられている眠り猫(ねむりねこ)【国宝】など、東照宮の名物を見ることで、東照宮の雰囲気を堪能することが出来ました。
龍の頭の下で拍子木を鳴らすと、鈴を転がしたような音がすることから「鳴き龍」の名称で親しまれている、狩野安信の手によって東照宮薬師堂(本地堂)天井に描かれた龍の絵は、その現象の不思議さもさることながら、龍がまるでこちらに迫ってくるような迫力のある絵にも多くの人が感嘆の声を上げておられました。

今回はじめて国内の研修旅行を実施し、今まで知らなかった古き日本の文化、歴史を学ぶことが出来ました。そして、何よりも一緒に旅行をして楽しみ、喜びを共有することで固い絆が生まれ、より多くの皆様と親しくなることが出来ました。
今回の旅行でお世話になった関係者の皆々様、本当にありがとうございました!



史跡足利学校哲学研修(一日目)


9月28日(月)から29日(火)にかけて、一泊二日の史跡足利学校哲学研修が行われました。
足利学校は、平成26年11月22日に当館と【交流協定】を結んだご縁もあり、今回の研修旅行が実現しました。
記念館スタッフからは3人が参加し、合計8人で足利学校のほか、二日目には世界遺産の日光山輪王寺、日光東照宮などを参拝しました。



 今年の4月に日本遺産に認定された史跡足利学校は、日本最古の学校として有名ですが、校舎には洗練された凛とした空気が漂っており、学校門を通るときには自ずと背筋が伸びる思いがしました。
 校内では、孔子の76代目の子孫の孔さんによる校内の説明や、孔子についてのお話を聞かせていただきました。(なんと9月28日は孔子の誕生日だったそうです!)
 校内には宥坐之器(ゆうざのき)があり、実際に水を入れてみることで、わかりやすく孔子の『中庸の教え』を学ぶことが出来ました。(水をいっぱいに入れるとひっくり返ってしまうことから、「満ちて覆らないものはない」ということを弟子たちに説いたもの。)

 書院から庭園を見ながら、昔、ここで学んだ学徒も、同じ風景を見ていたのかなと、この学校が育んできた歴史の重さを考えさせられました。

 最後に、史跡となってからの初めての庠主(校長)であった中村博士の愛した古印(こいん)最中をおみやげに買って、足利学校を後にしました。足利学校の方々、本当にお世話になりました。

あんこがぎっしり詰まっており、それでいてしつこさがなく上品な甘さでした。
その後、いろは坂を通って華厳の滝を見に行きました。

 この坂はとてもカーブが多く、第一の坂は20カーブ、第二の坂では28カーブもありました。

 華厳の滝は、通常は毎秒2トンの水量で落ちているらしいのですが、先日の大雨でこの日は倍の4トンの水量になっており、水が飛沫を上げて落ちるさまには圧倒されました。

 エレベーターで降りて、正面から迫力のある滝を間近に見ることも出来ました。
















二日目に続く