2014年2月13日木曜日

閲覧室の新着図書

図書閲覧室から新着図書のお知らせです。

昨年ご寄贈いただいた2冊の本を紹介します。



1冊目は、『改訂 キリスト教か仏教か~歴史の証言』(中村元 監修 山喜房佛書林 1998年)です。こちらは、東方学院講師、釈悟震先生による訳註の本を、釈先生ご自身より頂戴しました。スリランカで1873年に実際にあった記録ということです。二つの宗教者の論争の記録なのですが、冷静な話し合いの場を持つことができた当時の双方の人々に頭が下がります。
2月16日の公開講座の内容とも重なってくることと思います。ぜひご覧になってみてください。

もう1冊は『ラビンドラナート・タゴール 生誕150周年記念号』(ウダイ・ナーラーヤン・スインほか編集 インド外務省広報外交局 日本語版 2012年)です。インド大使から日本語版を頂戴しました。インドの詩人タゴールについて様々な角度から書かれた本で、写真資料も多数収められています。学生の目から見たタゴールとガンディーの交流の姿なども書かれており、興味深い内容です。

(司書N.F)

海外研修<釈尊三大聖地巡礼の旅>前篇


2月4日から2月9日まで、海外研修第2弾「釈尊三大聖地巡礼の旅」を企画し、インドへ行ってきました。今回の講師は、公益財団法人中村元東方研究所の研究員、佐々木一憲先生にお願いしました。

結団式での清水谷理事長(左)と前田専學先生(中央)
1日目は、外神田にある中村元東方研究所で佐々木先生から三大聖地に関する講義を受けた後、前田専學館長の「インドは日本人の精神の母であり、父である」というお言葉を胸に刻み、インドへ向かいました。ご一緒にお見送りに来ていただいた釈悟震先生をもう少しでインドへお連れしそうになってしまいましたが。
釈悟震先生(手前)と佐々木一憲講師(右奥)

2日目、飛行機で約9時間、デリー空港に到着しましたが、到着するなりスパイスのような独特の香りがします。さすがインド。ホテルで仮眠をとり、初転法輪の地、サールナート(鹿野苑)へ。
寺院の中の釈迦牟尼仏

寺院の壁画にはブッダの生涯が描かれている。
寺院の壁画は、ガイドのジャマルさんに解説してもらいました。出口右側の販売コーナーで、事前の知識どおりに皆さんが値切りはじめました。ここまでは、想定内だったのです。ガンジス河に向かうまでは。

中村博士ものっていた人力車にのってガンジス河へ (撮影:佐々木講師)

道がデコボコでとにかく揺れます。あと道路にセンターラインがないので、クラクションやベルを頻繁に鳴らしながらみんな通行しています。それでも日常茶飯事なのか事故らしいものもなく、乗っていたリキシャにバイクが接触したぐらいでした。

この日はちょうどサラスヴァティ-のお祭りで、ガンジス河へ向かう道も大変な賑わいでした。

サラスヴァティー (撮影:佐々木講師)
町を練り歩く若者たち (撮影:佐々木講師)
何台もの徐行する車の荷台にサラスヴァティ-の像がのり、そのあとに若者たちが続いて歩いていきます。かつては伝統的な行事だったそうですが、今は若者たちの祭りになっているそうです。
リキシャを降りて、「バクシーシ」がこだまする人の林を抜けると、急に開けたところにでました。一般にガンジス河として知られる川、ガンガです。

祭りのような賑やかさです。
奥のホテルの屋上、ベランダにも人がいます。

記念館のフェイスブックには船の上から撮影した写真をアップしてますが、この風景は特別なものではなく、毎日おこなわれる夕方のお勤めだそうです。ものすごい数の人と熱気でした。

照明がまぶしいですが、朝6時過ぎのガンガです。
「夢のような」といわれる一夜がさり、うってかわって朝の静かなガンガです。

朝6時半、朝日の昇るガンガです。

そして朝日の余韻を味わいながら、知識と学問の町バナラシに向かいます。
(後篇に続きます。)
(学芸員 N.K.)